匿名性重視の Mullvad VPN を契約してみました

今年、2020年に、Linux カーネルに正式にマージされた WireGuard という次世代の VPN を試してみたかったので、Mullvad VPN を契約してみました。一ヶ月、5ユーロ(5.5ドル)から気軽に、試してみることが出来ます。

Mullvad VPN の会社は 2009 年の創立で 10 年以上の歴史のある会社です。サービス名の「Mullvad」という言葉は聞き慣れないのですが、辞書によると、本社が置かれているスウェーデンの言葉で、「もぐら」という意味で、比喩的に使われる場合は、スパイを指すそうです。

インターネットは、その仕組み上、身元を隠すことが出来ません。政府や警察は、プロバイダに問い合わせることで、個人を特定することが可能です。書類を送付するときは、茶封筒に入れる必要があるように、インターネットにおいても、プライバシーを確保することは重要です。

Mullvad VPN の良いところ

Mullvad VPNOVPN.comNordVPN
本社所在地スウェーデンスウェーデンパナマ
メール登録不必要不必要必須
仮想通貨自社外部外部
IPv6対応対応ブロック
Socks5ありなしあり

登録は、メールアドレス無しで可能です。アカウントの作成を行うと、16ケタの数字が生成され、これが、アカウントIDとパスワードの代わりとなります。これほど簡単にアカウントが作成できるというのは面白いです。メールアドレスが要らないというのは、不必要な情報を渡さないので、匿名性に寄与します。

支払い方法も、面白くて、封筒で現金を送ることが出来ます。これが、現状、もっとも、匿名性の高い支払い方法になります。仮想通貨での支払いは、BTC か BCH の支払いしか対応していないので、匿名で支払いたい場合には、工夫が必要です。

仮想通貨での支払いは、大手の取引所のペイメント・システムを利用するところが多いのですが、ここは、自前でフル・ノードを管理して支払いを受け付けているのが安心できます。支払手段によらず、外部のペイメント・システムを経由すると、結局、支払いのログが残ってしまい、匿名性が失われていまいます。

IPv6 に対応しているのも良いポイントです。VPN が IPv6 に対応していない場合、IPv6 アドレスのリークの恐れがあります。他の多くの VPN サービスは、IPv6 への投資はまだ出来ていないようで、アプリでの IPv6 ブロッキングのみの実装が多いです。

Socks5 に対応しているのも良いポイントです。Socks5 を使えば、キル・スイッチや、スプリット・トンネリングを実現できます。他のサービスだと、これらはアプリの機能として実現しているところが多いです。Socks5 が利用可能なら、素の OpenVPN / WireGuard で、同じことが実現可能です。

ノーログ・ポリシーのパブリックDNSがあるのもよいです。VPN を利用していても、プロバイダの DNS を利用している場合、どのホスト名にアクセスしたのかが漏れてしまいます。

まとめ

Mullvad VPN は匿名性が非常に高いです。VPN に欲しい殆どの機能も網羅しています。日本では IPv4 over IPv6 が主流になってきていますから、IPv6 対応しているのは、嬉しいです。仮想通貨の支払いも、自社ノードで受け付けてくれます。これは、私が調べた範囲では、Mullvad VPN だけです。Socks5 に対応しているのも、OpenVPN などの素のクライアントを使う場合に、活用度が高く便利です。

参考

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